2008年11月20日
東京中野区 元厚生事務次官 吉原健二 さん宅周辺
19日午前1時のマスコミ=年金テロ現場で、その行動様式を観察する(1)
パブリック・ジャーナリスト 小田 光康【東京都】
【PJ 2008年11月19日】− 19日夜更けの午前1時、東京中野区の「年金」現場に立った。周辺は閑静な住宅街。普段この時間は酔っぱらいをたまに見かける程度で、人通りは極めて少ない。だが、この夜は違った。多くの記者やカメラマンが傷害事件に巻き込まれた元厚生事務次官の吉原健二さん(76)方付近でうろつき、「取材」をしていた。
さて、問題はこれが「取材」なのか、どうかである。これについて考えてみたい。ひいては、マスコミの行動様式について話してみたい。午前1時、真夜中である。そして、吉原さん宅付近は警察の非常線が敷かれ、マスコミ関係者や一般人は立ち入ることができない状況だった。マスコミは近所宅を回って、被害者の普段の生活の様子や人となりなどを取材したいのだが、時間も時間でそれはままならない。
あるマスコミの記者に取材を受けた。「吉原さんのお知り合いの方ですか」と声をかけてきた。「いいえ、違います。あなた方マスコミの人々を観察しに来たのです」と言って名乗った。すると少し驚いたようだったが、暇をもてあましていたこともあり、話す機会を得た。→PJニュースを読む
パブリック・ジャーナリスト 小田 光康【東京都】
【PJ 2008年11月19日】− 19日夜更けの午前1時、東京中野区の「年金」現場に立った。周辺は閑静な住宅街。普段この時間は酔っぱらいをたまに見かける程度で、人通りは極めて少ない。だが、この夜は違った。多くの記者やカメラマンが傷害事件に巻き込まれた元厚生事務次官の吉原健二さん(76)方付近でうろつき、「取材」をしていた。
さて、問題はこれが「取材」なのか、どうかである。これについて考えてみたい。ひいては、マスコミの行動様式について話してみたい。午前1時、真夜中である。そして、吉原さん宅付近は警察の非常線が敷かれ、マスコミ関係者や一般人は立ち入ることができない状況だった。マスコミは近所宅を回って、被害者の普段の生活の様子や人となりなどを取材したいのだが、時間も時間でそれはままならない。
あるマスコミの記者に取材を受けた。「吉原さんのお知り合いの方ですか」と声をかけてきた。「いいえ、違います。あなた方マスコミの人々を観察しに来たのです」と言って名乗った。すると少し驚いたようだったが、暇をもてあましていたこともあり、話す機会を得た。→PJニュースを読む
この記者は2年目の新人だった。警察担当を経て司法関連を取材しているという。社会部のデスクから前日夕方、現場に直行して取材せよ、との指示があり取材を続けているという。この記者がしていた取材はというと、非常線の前に立つ警官にあれこれと事情を聞き、その後は同業他社の記者と話をしていたのが実際だ。警官からは重要な情報は得られなかったという。
「では、なぜこんな時間にまだ取材を続けているのですか」と聞いた。正直、この答えはあらかじめ分かっていた。そして、こんな会話になった。「デスクに『そこにいろ』と言われたものですから」「でも、取材しろと言っても、酔っぱらいがたまに通るか、通らないかですよ。仮に話が聞けたとしても『びっくりしました』程度の話ではないですか」「たぶん、そうだと思います」。
取材にこうした予断は禁物だ。いつどこで有力な情報が得られるかもしれない。ただ、11月も半ば、寒気が関東平野に下りてきた寒い夜に何時間もぼーっと街角に立っているのはつらい。なぜ、マスコミはこのような行動を取るのだろうか。結論を先に言えば、同業他社が自社よりも新しい情報、詳細な情報、多くの情報をつかむのが怖いのだ。いわゆる特ダネを他社に持って行かれる「特落ち」を恐れている。【つづく】
「では、なぜこんな時間にまだ取材を続けているのですか」と聞いた。正直、この答えはあらかじめ分かっていた。そして、こんな会話になった。「デスクに『そこにいろ』と言われたものですから」「でも、取材しろと言っても、酔っぱらいがたまに通るか、通らないかですよ。仮に話が聞けたとしても『びっくりしました』程度の話ではないですか」「たぶん、そうだと思います」。
取材にこうした予断は禁物だ。いつどこで有力な情報が得られるかもしれない。ただ、11月も半ば、寒気が関東平野に下りてきた寒い夜に何時間もぼーっと街角に立っているのはつらい。なぜ、マスコミはこのような行動を取るのだろうか。結論を先に言えば、同業他社が自社よりも新しい情報、詳細な情報、多くの情報をつかむのが怖いのだ。いわゆる特ダネを他社に持って行かれる「特落ち」を恐れている。【つづく】
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